生きていく読書

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若杉弘の名演集

 夜の音楽はこれ

2009年に亡くなった指揮者若杉弘ザールブリュッケン放送交響楽団を振ったアンソロジー。

誠実で端正

若杉氏の演奏は決して怒らず気張らず、きめ細かな表現を特徴としていると思う。

今回はこのアンソロジー(私は以前アルテノヴァの国内盤で入手したものを聴いている)の中から、

ベートーヴェン交響曲第3番「英雄」を聴いている

長大な第1楽章を本当に本当に丁寧に演奏していると思う。時に音楽が突っ走って荒れた響きになりがちなところを少しクールに努めているかのようでもある。

第2楽章の葬送行進曲も決して骨太な演奏ではないが、じわりじわりと音楽の滋味があふれてくるような演奏である。

第3楽章から第4楽章は前半楽章からすると弱腰なオケの力量が出てしまうのが残念だが、全体を通してみると、クリアで鮮烈な気持ちのいい演奏になっている。

まだまだ活躍できる道半ばにして逝去されたことは本当に残念なことだった。

この後は同じオケとのブルックナーの9番を聴いてその功績をしみじみ味わおうと思う。