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イトウの音と本の綴織

エログロだが美しい眼球譚 今日の雑感

文化の日。天気は晴れだが強風の日。

▶ほぼ一日読書してました。かなり幅広く読んだ。

安部公房砂の女」読了。シュールな話かと思って読んでいたら、いやいやこれは現代文明社会へ埋もれていく人間自身を描いているんじゃないかという感想に至る。日本だけでなく、海外へ翻訳されて読まれているだけの普遍性はあると思う。

竹内薫茂木健一郎「思考のレッスン」読了。 題名からすると脳みその使い方指南か、と思いきや、そこまで深く突っ込んだ話でもなかった。日本人は文系理系と分け隔ての壁が高すぎる、もっと広い視野で物事を捉えるように。感情論が先に立つのではなく本来の科学的な捉え方をしていった方がいいのでは、とか。原発問題にも触れ、日本の決定的なエネルギー不足を指摘し、反原発でも原発推進でもなく、あらゆるエネルギーをミックスして使うのがいいのではないか、という切り口も見せる。

▶しかし

バタイユ眼球譚」を夕方から読み始めて、すっかりこの作品の美しさに感服してしまった。こんなのフツーの本屋で買えていいのか?と率直に思えるほどのエログロ変態倒錯小説なのだが、第2部を読むとバタイユの体験に裏付けられたものであることがわかる。わかってもこんな変な小説は受け付けない!という人はいると思うが。

戸川純の曲で「眼球奇譚」という曲があるが、その元ネタではないかと、このバタイユの作品のことを気にしていたが(もう25年以上も!)、そこらへんは判然としなかった。題名だけ似せることが結構あるので、イメージ程度なのか。

▶ともかく、バタイユは強烈美。こんな本、だれも読んじゃいけません。

 

眼球譚(初稿) (河出文庫)

眼球譚(初稿) (河出文庫)

 

 

 

 

 

砂の女 (新潮文庫)

砂の女 (新潮文庫)