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イトウの音と本の綴織

【読書】 パパは楽しい躁うつ病

 

パパは楽しい躁うつ病 (新潮文庫)

パパは楽しい躁うつ病 (新潮文庫)

 

どくとるマンボウこと北杜夫躁うつ病人生を振り返る、娘との対談集。内容に悲壮感はなく、躁状態になったときは株を売ったり買ったり、国を作ったり(?)と夫婦間でのバトルの話があるが、なぜか北家では笑いのネタになる。精神病を大っぴらに言えない時代から北杜夫躁うつ病を公然と認めていた。自分が精神科医ということもあるだろうが、病気への偏見はないようだ。個人的な感想として、まるで共感はできなかった。ここまで受容できる家族はまず考えられないし、私はかえってこの本を読んで気を重くしてしまったくらいだ。

読んだ時期が悪かったのか、私にとっては悪書。

北は躁うつ病を自認しておりながら、娘からうつ病で自殺していくひとたちにについて意見を求められても、答えにはなっていないし、なんだか読んでいるこっちがはぐらかされちる気分になって不快だった。BOOKOFF行き。