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生きていく読書

読書を生きていく糧に。そして理解しあえる世界に。

【読書】 石井光太「絶対貧困」

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絶対貧困―世界リアル貧困学講義 (新潮文庫)

絶対貧困―世界リアル貧困学講義 (新潮文庫)

 

世界リアル貧困学講義、と銘打っただけあって、内容はまさしく世界の貧困。スラム編、路上生活編、売春編、と筆者の取材した世界の貧困の有様を書き綴ったもの。けっして悲惨さを強調しないところがよい。スラムだって路上生活者だって、売春宿だって、日本も対岸の火事ではない。すべてがつながってグローバルになっている。東京オリンピックまでには大量の外国人が入国し、様々な問題も起こるだろう。しかし、それは外国人=悪などという単純な図式ではなく、では読んだ自分には何ができるだろうか?という答えを自ら出すことなのだ。

 

 ルポルタージュは久々に読んだ。貧困というキーワードは昔から潜在的にあるテーマだが、日本では最近、徐々に取り上げられるものになった。

しかし、今回は世界の貧困。これを読むと、人類のほとんどが貧困なのではないかと思えてしまうのだ。どこの国でも貧しさは根深く、多面的な様相を示すのだ。

物乞いをするのでも、できるだけかわいそうに思ってもらえる方がいいと、手足がない障碍者などが多くの喜捨を得られるという。場合によってはマフィアがストリートチルドレンを誘拐して手足を切断して物乞いをさせるようなこともするらしい。怖い。

そういう怖い話もあるが、生きていくなら、どこまでもやるさという人間の力強さも多々感じられるエピソードも多く、温室育ちの日本人もこういう本を読んで、自分の立ち位置を知る必要があると思う。

超オススメ本。