音を読む 本を聴く

イトウの音と本の綴織

30年越しの戸川純さん

昨夜

エレクトリックレディランドにて

 

私が中学生のころ、たまたまラジオをつけていたら、戸川さんの初ソロアルバム「玉姫様」の曲がかかっていて、その歌声に耳が釘付けになってしまった。

そののち友人宅で戸川さんのライヴ映像を見てこれまた衝撃。

 

いつかは生で聴きたい。

とそうこうしているうちに私は40過ぎのおっさんになってしまった。

戸川さんも最近活動が停滞しているようだし、もう聴く機会がないかも。。。と半ばあきらめの境地でした。

しかし、facebook上で名古屋でライヴがあるということを知って、これは行かないわけにはいかない!

とさっそくコンビニでチケット購入。いやあ今はすぐにチケットが買えるから便利な時代だわ。

 

戸川さんと言えば80年代のニューウェーヴ、パンクロックの寵児であり、抜きんでた表現者であると私は思っているが、時にイロモノ扱いされたり、メディア受けしづらい側面もあったりで、ファンとしては忸怩たるものがあった。

 

何事にしても「絶対」ということはないが、

戸川純は絶対にスゴイはず!と思っていた。

 

しかし、生ライヴを聴いたことがない、というのはファンとしては片手落ちじゃないのか?ある種の引け目を感じつつ過ごしてきた。

 

とまあ、チケットを入手してから、つらつら思いに耽っていたが、

 

やっと生ライヴを聴くことができた。

 

客層は意外にも幅広く、私のようなおっさんはじめ、若い男女、など本当に多種多様。

 

登場した戸川さんは少々、というかかなりお太りになっていたが、妹の戸川京子さんが亡くなった時のげっそりと痩せていたときの写真を見た印象がずっとあったので、逆に安心した。

戸川さん曰く「腰を痛めてから運動不足になってしまって、こんなにデブになってしまってね」と言われていましたが、少しでも腰がよくなってヤプーズでも聴いてみたいと思う。

 

腰を痛めているということで基本的に椅子に座っての歌っていた。

 

始めの曲はバーバラセクサロイド。のっけから強烈な歌声に圧倒。やっぱりこの人スゴイわ。。。一気に世界に引き込まれる。

それからはもうなんだかわけがわからないほど。感激という言葉を超えて感涙でしたわ。

前半で印象に残っているのは、やっぱり赤い戦車かな。戸川さんの曲の中で私が一番好きな曲。

 

喉を休めるので休憩します、ということで後半戦。

いきなりこれまた戸川さんの代名詞、蛹化(むし)の女。

 

話はそれるが、この曲はパッヘルベルのカノンに戸川さんが詞をつけたもので、このカノンの原曲を聴いてもつい、月光の白き林で~♪と家では歌ってしまうのだが、この詞はとにかく美しく悲しい、耽美的とも言えるものがあり、死ぬまで忘れられないと思う。

生で蛹化の女をあらためて聴くと本当にクリアで言葉がスッと入ってくる。気持ちがいい。

 

それから印象に残ったのが蘇州夜曲。これまたお得意の曲で独特の世界を醸し出していた。ああ美しい。

 

それと前後して玉姫様。比較的おとなしめに歌っていたのは

 

最後の

電車でGO!~レーダーマン のシャウトにそなえてなんかな、と後で思ったが、なんだかもう戸川さんの世界に入ってしまって曲名が何か飛んでしまいトランス状態(笑)。

 

アンコールはパンク蛹化の女を会場のみんなで熱唱。あー楽しかった。

 

あと思ったのが戸川さんの詞がやはりスゴイ。これだけの歌声を持ちながらさらに気持ちをえぐるような詞を書く人ってほかにいるんかな。

 

なんだかんだでオールスタンディングの3時間。あっという間の3時間。

本当に30年越しのライブ。

満願成就でした。

 

追記

 

戸川純事務所のfacebookページにセットリストが掲載されていましたので、以下

 

SET LIST

 

1.バーバラ・セクサロイド

2.コレクター

3.バージンブルース

4.諦念プシガンガ

5.12才の旗

6.さよならをおしえて

7.ラブ・バズーカ

8.憤怒の河

9.赤い戦車

10.12階の一番奥

11.彼が殴るの

12.フリートーキング

 

休憩15分

 

13.蘇州夜曲

14.lilac

15.金星

16.蛹化の女

17.玉姫様

18.ダイヤルMを廻せ!

19.肉屋のように

20.母子受精

21.電車でGO

22.レーダーマン

 

アンコール

パンク蛹化の女