音を読む 本を聴く

イトウの音と本の綴織

マーラー覚書その4 社会人になってから20代30代

大学を卒業して就職する。

お金がなかった学生時代からお金にはかなり自由がきく、、と思いきや

私は就職したその年の11月に結婚をする。

結婚をするとそんなに自由になるお金がない。

さらに仕事が土日が休みではない。

合唱団に入っていたので土曜日は忙しい仕事を終えて夜の練習に参加するというのが状態になっていた。

平日は休みだったが、コンサートへの関心は薄らいでいった。

読書はよくしたが、音楽を聴くのはもっぱらCD。

20代の頃はマーラーのCDはよく買った、、、というほどではない。

30代になって、インターネットが表立ってきた時、さまざまなサイトに出会う。

もっとも影響を受けたのはHNてくてくさんの「マーラーの世界」というウェブサイトだった。

今はもう閉鎖されて見ることができないが、個人運営でここまで聴きこんでいる人もいないだろう。

このサイトでいわゆる海賊盤ブートレグ盤の存在を知る。

てくてくさんが推していたマーラー指揮者はバーンスタインテンシュテット

曰く「情念系」と書かれていたが、これを読み新たにマーラーを聴きこむことになる。

このころ最も衝撃を受けたマーラーCDはテンシュテット指揮ロンドンフィルの第6交響曲だった。

この曲はすでに聴いていたが(ブーレーズ指揮ウィーンフィル)、どうもピンとこなかった。

他の交響曲は好きだったが、この曲がいまひとつ好むことができなくて、最後の砦のように取り残された感があったのだが、

てくてくさんが推していた演奏がテンシュテットだったのでぜひ聴いてみようと思い全集を大人買いして(と言っても輸入盤だったから4000円くらいで買えた)、聴いてみた。

・・・これだけ曲に没入した演奏もそうは聴けるものではない。私はマーラーの曲を再認識するようになる。