【読書】いい子になれって いわないで
フランスの名車ファセル・ベガを作ったジャンの幼い時の物語。勉強も集中できず、音楽もてんでダメ。落書きばかりだった彼の勉強帳には車の絵がたくさん描かれていた。ジャンは途中で学校を退学になり、寄宿舎学校に行くが、兵役に行き、たくさんの技術経験をえることになる。ジャンが成功するまで親は彼に酷い仕打ちを与え続けた。この絵本にはあまり強調されてはいないが、いかに大人の杓子定規があてにならないことの典型だ。大人自身も自分の可能性にに知らず知らずに手枷足枷して自由を奪っているのではないかとも思った。
▶子供向きというより、大人向きのように思う。この実話は子供の可能性を信じて成功するまで伸ばした親たちではなく、逆になにも子供になすすべがなかった戸惑いばかりが親たちにはあった。
▶ジャンは父親に「おまえには、なんのとりえもないじゃないか。このままいけば、一生なにもせずにおわってしまうぞ。…ろくでなしとは、お前のことだ…」と言われる。
▶この物語ではジャンは自分で機械いじりに没頭して好きな車のエンジニアになれたが、おなじようにジャンのように親から言われ続けている子供たちは無数にいるはずだ。
▶親にろくでなしだとか、ダメ人間扱いされるこのジャンの気持ちが痛いくらいわかる。だから自分の子供にはそういう烙印を押すことはやめようと。
▶私で負の連鎖は終わり。人はまず心。