【読書】アダム・スミス「道徳感情論」 橋爪大三郎「世界がわかる宗教社会学入門」
常識を疑い、常識が単に自分の思い込みだったこと、他人からの洗脳だったことに気づくと楽になる。
「ねばならない」「べきだ」と思うことがある事があればそれが要注意。
食事をちゃんとたべなきゃならない。
運動しなきゃだめだ。
8時間寝なければならない。
親の老後の面倒は子供が見るべきだ。
子供を進学させるのは親がしなきゃならない。
子供が勉強できなければ、塾に行かせてできるようにしなければならない。
人は大なり小なり「ねばならない」「べきだ」を知らず知らずに思い込まされている。
実はそんなこと「しなくてよいこと」なのに…と気づくと途端に
あ、そんなこと別に決まりがあるわけでもないんだなと気づく。すると気持ちが楽になる。
文庫本とは言え、ページ数700頁に迫るスミスの大作である。
これをどう読んだらいいか?と買ってから2年弱。でもどうしても読みたいのだ。スミスがどういう考えを持っていたかを知りたい。
で、
宇都出さんの速読の本
これを読んで、気づいた。
最初から1文1文わかるようになるまで読まなくていい。
そんな読み方をしていたら絶対途中で挫折する。
ならば、目次を10回眺めて、解説あとがきを10回眺めて、本文の見出しを何回も眺めて、興味のある部分を眺めて、何となくわかったら、読んだということにしたらどか?
途中で挫折して読めないよりはずっと読書していることになる。まだわからなければまた何度も見返せばいいんだ。
気楽に構えずリラックスして読むのが一番いいのであって、
全部読みこなさねばならない。
最初から一字一句逃さず熟読すべきだ。
などと、気張っていたら、この700頁など到底最後まで行きつかない。
読書のスタイルは自由だ。ならば私はこれで行こうと決めて今朝からこの大作を読み(眺め)てみた。
3回ほど通読できた。時間は90分から2時間ほどかかったが、それでもかなり早く読了した。実際、速さは問題ではないが、あまり長くかかっていると、内容や関心が薄らいでしまうので、記憶が濃いうちに何度も読み返すといいと思った。
目次(ものすごく長い)とあとがき、本文の順でざっくり読み。本も文庫とは言え600頁以上あるので、細かく読むのは一生がかり。楽しい。感情についての考察がなされていると受け取っている。「美醜をめぐる我々の観念に対する慣習や流行(ファッション)の影響について」という妙にいまどきにもありがちなところもあるのでそこをまず読んでみる。目次を読むだけでも興味をそそられる。大著であるから、本当に読み終わるのはいつなのかな。
読書は一生もの。いい本だと思えば一生何度も読み返せばいいことである。
日本は宗教というものに無知で誤解している。その意味で日本は世界で稀有な国であることがまず自覚するところから始まる。世界の宗教の概略をつかまえ、その社会的な位置づけを示す。大学での講義をまとめたものなので、本当にわかりやすい。ここからコーランや、聖書、仏典へ行くとさらにいいかもしれない。
これは1回通読して、2回目は関心のある部分(尊王攘夷のあたり)を深読みする。儒教の部分はあまり読み込まなかったが、これもあとから読み返す。
読書そのものも、「ねばならない」が外れると途端に心軽やかに楽しく読書ができる。