【音楽視聴記】ベートーヴェン:交響曲第7番は。
日記だけでも面白くないので、時々自分の好きな音楽・音源を紹介してみようと思う。
私は20年前はホームページ(いわゆる個人ウェブサイト)、10年前くらいはCDやコンサートの音楽の感想ブログを書いていた。
そういうものも何年もずっと書いていると、どうも広がりを感じられなくなっていた。つまりは飽きてしまったのだ。どうもおっさんのオタク趣味がすぎる感じが自家中毒症的に嫌気がさしたのだ。
だからここ何年間か書くのをあえてやめていた。
書き続けてわかったこと
そもそも感動はそんなにたくさんやって来ない!
ブログに描こうとしているほど感動は頻発しない。ぶっちゃけ音楽に深い感動がもたらされるのは年に数回あればいい方だ。生のコンサートでもそんなにない。レコードやCD聴いただけで涙に咽ぶなんて、滅多にない。そんな中で良かったものばかり書くことは流石に無理がある。だんだんケチをつける記事が増えてきた。
自宅で音楽を聴くときの環境の悪さ。
最近引っ越したので随分改善されたが、以前の住む家はリビングルームに音楽を聴くシステムがあった。そこには生活音があふれていた。キッチンもあるので水の音、煮炊きの音、洗濯機もあるのでその音。
これらを聞きながら音楽を聴いていた。BGMなら別に構わないけど、一応文章として残そうとしているならある程度音楽に集中したい。しかし、それはかなり無理があった。ヘッドホンで音を遮断して聴くことも試みたが、そうすると家族とのコミュニケーションの時間が薄くなる。
仕方なく寝る前にiPodで布団の中で聴いていたら、妻に「音が漏れる」と言われる。
うーむ。
という訳で、こんな状況で音楽を集中して聴く環境を作れなかったので、いちいち感想を書くのもめんどくさくなってやめてしまった。
まあそんなことで、引っ越して見たものの、生活音を遮断してまで音楽に集中するつもりもないし、大感動を伝得たいとも全く感じなくなった。
これだけ音楽が好きで聴き続けたならば、日常の中の「気の抜けたサイダー」みたいな感想を書いてみようと思う。
そんなことで今日はバッハの無伴奏のことを書いてみようと思った。(バッハは全然気が抜けないだろ!というツッコミはなし)
思ったが、さっきまで音楽ファイルのファイル形式を変換するのに四苦八苦していて、なんか書く気が失せた。全くいきなり気が抜けている(笑)。
iTunesで音楽データを管理するため、XLDというソフトでFLACのファイルをAppleロスレスに変換していた。
しかしトラック1だけ、なぜかiTunesが認識しない。曲のトラック2から始まるのでキレまくっていたのだ。
あれこれ設定をいじっていたらやっと認識してやっと落ち着いた。
音楽データの管理はいまだに苦手だ。ネットでアートワーク(ジャケット写真)まで丁寧に貼り付けて管理されている人を見ると恐れ入る。あの丁寧な仕事は私には無理だ。
私も以前はまめにアートワークをネットから画像を探して貼り付けていたが、それよりも音楽の中身のデータが正確に入らない方が気になってしまって、アートワークどころでなくなった。
閑話休題。
せっかくバッハの深淵を語ろうと思っていたのに気を乱された(笑)。また次回以降にしよう。
誤解しないでおいてほしいが、私はクラシック音楽は好きだが、クラシック音楽だけが好きな訳ではない。あれこれ聴いていたらなぜかクラシック音楽を聴いている時間が多くなったに過ぎない。
むしろ私は世界中の音楽を聴いたり体験したいタイプなので、そろそろ西洋音楽から足を洗って、もっと広い世界を聴きたいと思っている。
しかし、西洋音楽はディープだし、今の世界の音楽のベースになっているのでなかなか抜け出せないw
バッハはまた今度にして、先ほど聴いていたベートーヴェンの交響曲第7番のことを書こう。
ベートーヴェンの音楽は好きですか?と聞かれて
「大好きです!」と私は答えられない。
正直、全部好きなわけがない。時と気分によっても好む音楽は異なるので、特定できない。
それはベートーヴェンに限らず、バッハもハイドンもモーツァルトもブラームスもシューマンもラヴェルも武満も同じだろう。(以前はマーラーは大好きです!と言えたが最近はそうでもない)
最近、私が聴いているベートーヴェンは弦楽四重奏曲やチェロソナタ、ピアノソナタ、など室内楽が増えている。
理由は聴いていると面白くなってしまって色々聴いてしまうから。ベートーヴェンは決して「運命」「第九」だけではない。
とはいえ、ベートーヴェンは意外と寡作家である。
メインの室内楽では弦楽四重奏曲は16曲、ヴァイオリンソナタは10曲、ピアノソナタは32曲。大編成の交響曲はたった9曲。
同じ古典派のハイドン(交響曲だけで104曲以上)やモーツァルト(交響曲だけで41曲以上)の多作振りに比べて、ベートーヴェンはかなり寡作である。
しかし、ベートーヴェンの作品の名作打率は高いと思う。特に交響曲は9曲しかないのに、全て異なる個性を持った名曲だと思う。
もちろん、人によって「やはり人類の遺産は第九だろ!」「田園だ!」「運命やろ!」「エロイカこそが革命的作品」と主張が違う。
なんでもいいよ。ちょうど9曲あるから野球のメンバーとして考えてもいい。打順に役割があるように、それぞれの曲の特質や音楽の狙いが異なるだけだ。
で、7番だが。
せっかくなので、カルロス・クライバーの東京公演の動画があるので聴いてみよう。第4楽章をご覧ください。踊っているだけの指揮みたい?オケの皆さんは相当必死です!場所は昭和女子大学人見記念講堂だと記憶しています。
この演奏は多くの人を熱狂させるものだと思います。
第7番の演奏はまずクライバーのものを挙げないといけません。
- アーティスト: ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団& カルロス・クライバー
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ベートーヴェン:交響曲第7番 (Beethoven: Symphony No.7)
- アーティスト: ベートーヴェン,カルロス・クライバー,バイエルン国立管弦楽団
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- 発売日: 2005/12/16
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定番過ぎますが、上の録音はウィーンフィルがオケの録音。端正なクライバー(ってどんなんだ?)が好きな人向け。
下はバイエルンのオケのライブ盤。クライバー死後に発売されたもので、本人的には行き過ぎだったのかもしれないので、世に出すことはNGにしていたのだと思う。(同じ日の4番の録音は20年以上前に世に出ている)
聴いている方としては、下のバイエルン盤の方がリミッターが完全に振り切れた演奏なので、ミスがあろうが、フライングがあろうが、断然面白いと思う。
クライバーは晩年ベートーヴェンの第4番と第7番ばかり振っていたようで、海賊版でグラン・カナリアのライブ録音までこの2曲が残っている。(それはもちろん紹介できません)
第7番はもちろんカルロス・クライバー(ちなみにお父さんのエーリッヒも指揮者だから、カルロスと言わないと誤解されることもある)だけではなく、他にもめちゃくちゃいい演奏があるので、色々紹介しておく。
- アーティスト: カラヤン(ヘルベルト・フォン),ベートーヴェン,ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
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カラヤンは正規で5回は録音している中でもっともワイルドで若々しい演奏。
おそらくカルロスはカラヤンのこの演奏にインスパイアされていると思われる。(カルロスはカラヤンを崇拝していたという記録が残っている)
カラヤンは70年代に再録音しているが、かなりコントロールをかけている。レガートと響きが分厚く、この曲のリズムとエッジの刻みがスポイルされているという感じがするので、まず聴くならこの60年代のカラヤンを。(ちなみに80年代のカラヤンは逆にオケに勝手にやらせて暴走させている感じが良い)
- アーティスト: クレンペラー(オットー),ベートーヴェン,フィルハーモニア管弦楽団
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これはクライバー=カラヤンの真逆の演奏。超スローテンポにしか聞こえないかもしれないが、もっと音楽を根底から覆す、とんでもないエネルギーを感じさせる。この曲は実はイケイケな曲ではない、と思えてくる。
- アーティスト: チューリヒ・トーンハレ管弦楽団,ベートーヴェン,ジンマン(デイヴィッド)
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これは超軽量級の室内楽的な演奏。イケイケでも重厚でもなく、子気味よく軽やかにアンサンブルを楽しむ演奏。
こうなるとどの演奏が一番良いか?なんて話は意味がなくなる。
紹介したい録音はたくさんある。
アバド、ベームやバーンスタイン、ドラティ、ハイティンク、クーベリック、スクロヴァチェフスキ、セル、ラトルなどまだまだたくさんあり過ぎてなんともしようがない。
YouTubeや音楽ストリーミングでこの曲の演奏は無数に聴けるので、聴いてハマってほしい。
最後に小澤征爾がベルリンフィルを振ったライブ録音。後半楽章はどうやらベルリンフィルが暴走機関車になった記録のようである。(笑)