音を読む 本を聴く

イトウの音と本の綴織

【日記】2018年7月17日朝 オーディオ沼には気をつけているが…

▶︎昨日も昼夜を通して暑かった。私は1日中うちに籠って音楽を聴いていた。朝のうちはCDを寝ながら聴いていた。ふと、最近アナログレコードを聴いていなかったな、と気づき、聴きだした。

▶︎プラセボかもしれないが、CDを聴くよりも長時間聴いてもレコードは聴き疲れがしない。ナローなのかもしれない。ノイズが適度に入るのでどこか自然音に近いのかもしれない。

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▶︎すぎやまこういち作曲 交響曲イデオン 小松一彦東京フィルハーモニー交響楽団

機動戦士ガンダムのすぐ後、富野由悠季が放った神話色が濃い哲学的なロボットアニメのオケ音楽。すぎやまこういちといえば、のちにドラゴンクエストの音楽で息を吹き返したように活躍したが、この交響曲イデオンがなければ、それもなかったんじゃないかと思う。それまでは普通の歌謡曲作曲家としての認知しかされていなかったので、そのままなら今の仕事はない。

▶︎ベートーヴェン 交響曲第5番 エグモント序曲

小澤征爾指揮ボストン交響楽団

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▶︎この録音今では忘れられている感はあるが、ルドルフ・ゼルキンと録音したピアノ協奏曲もこのテラークレーベルだった。デジタル録音だが、ホールの響も含め、オーケストラ全体を俯瞰するような録音。

▶︎ストリーミングサービスDeezerの音源がChromcastで聴けるようになったのは幸いである。数年来懸案だったネットワークオーディオプレーヤーを導入することを決めた。

 

 持っている外付けHDDを活かせること、ネットラジオはもちろんSpotify、Chromcast、Radikoも対応するのでDeezerもFLACで聴けるなどからやっと導入をした。

▶︎引っ越してからオーディオ関係の製品をやたら揃えてしまっているが、全て入門機のグレードだし、オーディオマニアからするとおもちゃのような価格とスペックだ。しかし以前の10万円の音が今は2万円で出る。レコードプレーヤーもTEACの型落ちとはいえ19,500円でかなりまともな音が出るものが買える。

▶︎私が高校生の時に組んでいたコンポーネントの方が高級だったと思う。しかし、今の方がおそらく高音質だと思う。テクノロジーの変化でもあるし、好事家にとってはありがたいことである。

【日記】2018年7月15日 夜

▶︎多くの日本の会社など、連休の中日だということらしい。午前中に書店の丸善に行ってきたが、途中の地下鉄はまばらで、水着の入ったビニルバッグを持った親子連れをよく見かけた。暑いからプールか海に出かけるのだろう。ベビーカーに乗せられた赤ちゃんも見かけた。子供も大きくなった私にとってはなんとなく懐かしい。

▶︎我が家は連休でもそれぞれに忙しい。妻は今日だけが休みだし、娘は大学の課題に追われているようだ。

▶︎ん?私が一番ヒマ?というか身体的にかなり負担が大きい状態なので、忙しいとか言っているどころではない。

▶︎正直に書いておくが、実は心理的に非常な焦りを感じている。残り時間が少ないと感じているから。その感覚に根拠はないが、焦りを感じているのは確かである。外界の時間と体内で感じている時間の刻みが違う。明らかに体内の時間が速く進んでいる。これはいいことなのか悪いことなのかよくわからない。

▶︎読書を進めたいが、実は思うように読み進められない。正確に言うとページがめくることで身体が苦しくなるので、読み進められない。

そんな時、これだ。

 

朗読のススメ (新潮文庫)

朗読のススメ (新潮文庫)

 

 声に出して本を読むと言う、小学生の頃のスタイル音読・朗読だ。

 

測量船 (講談社文芸文庫)

測量船 (講談社文芸文庫)

 

 ▶︎うちにある詩集を声を出して読む。三好達治が今日は良い感じだった。昨日は方丈記の冒頭を読んでいた。

▶︎言葉にはリズムがある。言葉を声に出すとそれは音楽としても感じられる。楽譜の音符休符は自分で決められる自由さ。なんどもつっかえながら、読む。特に語尾の余韻をどう残すかが難しいが、その試行錯誤が自分で作る感覚そのものである。

▶︎声を出すことで自分の心を解放する。恥も外聞も捨てて声を出すことこそ自分の本来の声を取り戻すことに他ならないと思う。

▶︎「心が楽になれば、声も楽になります」永井一郎さんも著書に書いている。長く歌を歌っていた私でも今になってしみじみその言葉を噛みしめる。

▶︎私はどれだけ生きられるか。そんなこと誰にもわからない。しかし、それは確実に有限であることは言える。それも極めて。

【日記】2018年7月15日朝

▶︎昨日は起床してから日常生活諸々。買い物をする。食品小売の仕事をしていていたのでスーパーマーケットに行くのはどうしても仕事目線になる。リアルにマーケットに出向くのって好きなんですよね。

▶︎でそれ以外は読書。

 

(日本人)

(日本人)

 

 橘玲さんの本は随分前から読んでいたが、

 

言ってはいけない 残酷すぎる真実 (新潮新書)

言ってはいけない 残酷すぎる真実 (新潮新書)

 

 

残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する

残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する

 

 

私がハマってきた考え方や現実に起こった罠についてちゃんと書いてあるではないか。痛い、しかしこれらの現実をしっかり踏まえて生きたいと思う。

▶︎娘の保育園時代の同じクラスの子のお母さんから妻がメールをもらった。その子も大学に合格して目下将来「税務」で身を立てるためにすでに大学1年で「就職活動」「セミナー参加」と懸命なのだそうだ。

▶︎その子の人生は私には与り知らないことだから、勝手な私の気持ちとして書く。税金やお金の流れ、資本主義の仕組みやルールを学ぶことは大切だと思う。どんどんやって欲しいと思う。しかしそこには罠もある。職を得るために税理士などの「資格」を取ることに費やしたり、財務省や税務署などの公務員の「既得権益」「安定性」に浴しようというのならば、税務知識が単にお金を安定的に得るための一つの「道具」でしかなくなってしまう可能性がある。

▶︎一生懸命に職を得ようとすればするほど、安定を目指すあまり、既存の枠組みでしか世界を見ようとしなくなってしまう。それは若者にとって、大きな挑戦をさせる勇気を奪うことにはなりはしないか…。

▶︎安定した職業などなく、また世界はいつも不透明不確実だというのが現実だと思う。とはいえ今の日本社会は飢餓もなく、むしろ食品廃棄ロス大国というのが現実だ。つまり、死に直面することが表面上ない。絶対に「食える」はずなのだ。

▶︎そこで将来に向かって「食う」ために何かする必要は実はない。とにかく今現在お腹すかしている日本人は見かけ上ほとんどいない。

▶︎だから、就活に一生懸命になる学生やハローワークに出向く人も、実は本当に死に瀕してはいない。みんな必要だからと言ってスマホを片手にエントリーシートや企業にアクセスしている。本当に死にそうな人はまずスマホを売ってそれでコンビニでおにぎりを買うだろう。

▶︎みんな実は将来について「不安」を抱くことで生きているのかもしれない。最悪のことまさかのことを考えて、保険に入り、貯金をして、定職を持とうとする。しかしその元にあるのは「不安」だ。

▶︎みんな「不安」に怯えるのではなく、「不安」を理由に生きたいのではないか。だって実はどうやったって「食える」社会が日本なのだから、生命維持にこれ以上何もしなくていい。

▶︎しなくていいのなら、みんなは何をしているのか?人間は何にもしなくてもいい時代に、わざわざ「するもの」を探そうとする。「欲しいものが買いたい」「社会貢献がしたい」

▶︎要するに、日本社会は時間も経済的にも圧倒的に余裕があるから、色々やりたがる。不安になるのも不安になる余裕があるってことだ。

▶︎「不安に決まっているじゃないか。隣国の軍事圧力や安全保障の問題が大きいし、リーマンショックのような経済危機がきたらどうするんだ?」確かにそういうことが将来起こるかもしれない。

▶︎しかしその可能性はいつの時代もある。それが「不安」ならどうやっても「不安」は無くならない。しかし、「不安」はいつも将来だ。今生命の危機に瀕している人は「不安」ではなく、この危機をどう脱するかしか考えない。不安を感じる暇すらないはずだ。

▶︎「だからそういう生命の危機になってからでは遅いから、そういう「不安」に備えて今から何かしなければいけないんですよ!」と言われると、循環論法に陥ってしまう。

▶︎生命の危機の不安に備えて、不安になるんです!と言っているようなもの。

▶︎日記になっていないや。今朝はこれくらいにする。

【日記】2018年7月13日夜 「下手でも好き!」と言える人の熱量を感じろ!

▶︎高音質音楽ストリーミングサイトDeezerを自宅のオーディオで聴いている。

www.deezer.com

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メインシステムにも接続しているが、これはダイニングテーブルの片隅に設置したオーディオ装置。

デジタルアンプにChromcastオーディオを光ケーブルでDeezerに接続。できる限りデジタルデータのまま再生してみた。

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アンプの下はDVDプレーヤー。CDプレーヤーとして使っているので今回は関係なし。

▶︎ChromcastオーディオからDeezerを聴く。音質は確かにCD並みに良い。全ての音源が賄えるわけではないが、これでCDを買うことも少なくなるだろう。やはりアナログレコードだな!

▶︎数理的論理的な思考とは最近やたらと言われる。しかし内実単にビジネススキルとして言われることも多い。この本を読むと「生きること」そのものが「思考」であるということができるのかもしれない。

▶︎私としてはこっちから読んでみている。

文系のための数学教室 (講談社現代新書)

文系のための数学教室 (講談社現代新書)

 

 

私は元来学習(learning)全体が好きなのだが、一方で時間をかけたいことが多かった。ということもあり、高校数学で自分の学習速度が遅かったことが数学の認識を遅らせていると考えている。

▶︎数学ではなく計算レベルが下手なので、計算がしんどかった記憶がある。受験数学は筆算でしくじると正解できない。これは相当な苦痛だ。大人の今なら四則演算でも複雑なものはパソコンやスマホがやってくれる。私が必要なのは数学の概念と運用する知識と知恵だ。

▶︎話はそれるが、英語嫌い数学嫌いが老いも若きも多い。おそらく、それは学校なり親が無理やり勉強させた結果だと思う。落ち着いた空間と、シンプルな教科書、自由に発言できる 環境があれば勝手に学ぶ。

▶︎私は学ぶこと全体が好きだと言った。私は受験的に数学や英語は「下手くそ」だ。つまり「上手に」得点できない。だけど、それに何か問題ある?だ。

▶︎上記小島寛之さんの本の前書きに「数学でも『下手の横好き』ってあってもいいでしょ」と書いてある。つまり下手でも「好き」であることは構わない!というわけである。

▶︎小島さん自身は将棋は好きだがヘボだという。それでも対局は観るし、将棋を熱く語ることができるという。確かに。

▶︎いつから、「点数が取れるのが上手」=「好き」になってしまったのか。「下手だけど、大好き!」と思えるものことの方が本当は混じりっけのない情熱を傾けられると私は確信している。あ、結構いいこと書いてしまったので、ここの部分は有料として読んでください。

▶︎音楽についても、私は音楽が好きなのだが、一向に周囲の熱量が低い。みんなピアノを習ったり、指導経験もある人に出会ってきたけれど、なぜだかみんな自信なさげだ。▶︎おかしいぞ。私はピアノを習ったこともなく、楽譜は読むというより眺めて楽しむ方だ。長くやっていた合唱でも私は読譜能力は高くないので、結構みんなにバカにされた。でも、バカにした相手方をみると「オレは本当に音楽が好きなんだろうか」とか悩んでいる。おかしいだろ、いや可笑しい(滑稽)と表現した方がいい。

▶︎好き嫌いに理由はない。何が好きかくらい自分で決めろ!正直にそう思う。音楽に携わる人が概して音楽への熱量が低いのは、本気で自分が好きだ!と感じる前に目の前にはピアノがあったり、音楽環境が充実していたりすることがあるのかもしれない。

▶︎英才教育が有効なこともあろうが、物心つかない子供が全て一流の音楽家になるはずがない。子供が興味を持ってばやらせればいいのである。無理やりやっては逆効果なのは明らかなのだが、いまだに大人は是正せずピアノが弾ける音楽嫌いを量産し続ける。きっと某音楽教室マーケティング戦略だな。そうだそうだ。

▶︎好き嫌いの判断の前にすでに「ピアノが弾けている」というのは、弾けない私からすると宝物を持っているのと等しい。下手でも両手がバラバラで動くから。しかし、彼らは往往にして大きな宝を持っているとは思っていない。

▶︎ピアノを弾けるけど、音大に行ったけど、演奏家になるわけでもなく、音楽に触れているわけでもない。そんな人が実はゴロゴロいるということがわかってきた。家でまで音楽を聴きたくない、という人までいてどんだけのメンタリティなのか疑ってしまうことも多い。

▶︎私は数学も英語も音楽も文章も「下手」かもしれないが「好き」である。人間づきあいも「下手」かもしれないが「好き」である。それに何か文句あるか?

▶︎「下手の横好き」「好きこそものの上手なれ」どちらでもいい。とにかく「好き」なものに他人の尺度を入れるな!自分基準で良いのである。これは間違いない。

【日記】2018年7月13日朝 ご教示ありがとうございます

▶︎昨日、匿名か実名かということを日記であることも忘れて、長々と書いてしまった。

▶︎その内容にすぐリアクションをしてくださった方がいた。

inochi-to-kotoba.hatenablog.com

茶箪笥さん。(実名は公開されていますが、私のブログでは書かないでおきます)

この方、私がクラシック音楽好きの関わりでTwitterで知り合って、かなり長く繋がっているのだが、いつも非常に丹念にブログや読書会を作ってくださっている。

▶︎私も色々なことを茶箪笥さんから刺激をもらいながら活動しています。ありがとうございます。