年末になるとどこのオケも第九を演奏します。
第九を演奏するとお客が入る、第九を演奏しないのは日本のオケそしてはどうか、とかまあいろいろあると思いますが、今回は私が今まで聴いてきた生演奏CD演奏含めてよかった演奏を書いてみたいと思います。
うろ覚えの部分もありますが、とりあえず書いてみます。
ベスト1
小澤征爾指揮ニューフィルハーモニア管弦楽団 アンブロジアンシンガーズ
確か小澤40歳の頃の録音。きわめて集中力の高い演奏。かつ細部まで神経を注いでいるのがわかる。特に第3楽章の
室内楽的なアンサンブルの美しさと言ったら!
後年のサイトウキネンの演奏も聴きましたが、40歳の小澤の第九のほうが私には圧倒的に感じました。
ベスト2
ラファエル・クーベリック指揮バイエルン放送交響楽団合唱団(orfeo LIVE)
スタジオ録音も残っているが、このライヴ録音は燃焼しきっていて、指揮者とオケの信頼関係、そして骨太な音楽を感じさせる超名盤だと思う。
これを聴いて
クーベリックのすごさを知った。
ベスト3
フランス・ブリュッヘン指揮18世紀オーケストラ リスボン・グルベンキアン合唱団
ブリュッヘンの2回の録音のうちの1回目。
古楽器の第九のベスト。軽快であるが、軽薄ではない。
特に第4楽章の声楽が入ってくると、ドイツ語のディクションに忠実に歌っている(ように思わせる)説得力がある。語るように歌うとはこのこと。合唱の純度も最高に良い。
ベスト4
クラウディオ・アバド指揮ウィーンフィルハーモニー管弦楽団ウィーン国立歌劇場合唱団
アバドなら後年
ベルリンフィル&
スウェーデン放送合唱団の2回の録音があるが、
アバドののびやかな歌心がある演奏ならやはり
ウィーンフィルのこの演奏。
合唱こそ
スウェーデン放送合唱団に負けているが、自由闊達で明るい第九ならこういう演奏がいい。
ベスト5
岩城宏之指揮オーケストラアンサンブル金沢 バンベルク交響楽団合唱団(名古屋公演 生演奏)
私が聴いた生演奏のなかでは最も素晴らしい演奏。
なんといっても
バンベルクから岩城氏がわざわざ連れてきた合唱団だけある。日本人はドイツ的な演奏というものをどうもはき違えているんじゃないかと思えた。
ただただ高い音を出すことや絶叫する合唱が多い日本の第九演奏に一石投じたかったのではないかと思う。
非常に軽やかで生き生きとした表現の幅が縦にも横にも広い自由な演奏だったと記憶している。
と、自由気ままに書いてしまいましたが、なるべく超名盤以外から自分が感銘を受けたものを選んでみました。
バーンスタインや
フルトヴェングラー、
カラヤン、
ジュリーニ、
ベームなどは抜いております。。。